ども〜、毎日毎日、ボクらは鉄板の♪上で焼かれて・・・・いやになっちゃいそうなポスドク、Nicです。

nic_veliger2008-02-29



それはさておき。


旅先で読むと、妙にしっくり来る本というのがありますにゃ。

沖縄に行ったら山之口貘、熊本に行ったら夏目漱石とかね。
(松山よりも熊本の方が、漱石さんはしっくりくると思いました。漱石記念館で肉声の再現とか聞いたからかな?)


今回の沖縄で読んでいたのは、
『頭の中がカユいんだ』(中島らも)と、『治療塔』(大江健三郎)でした。2冊とも空港の小さな書店で見つけて衝動買いしたものです。


うちは、夜、寝る前に本が手放せないので、旅行にはたいてい文庫本を持って行きます。
(忘れるとコワいことになる)


『頭の中がカユいんだ』(中島らも)は、高校の時に一回読んだことがあったんですが、その時は「変な人(ーー;)」(らもさんに対しても、この本を薦めてくれた彼に対しても)って、思っただけでした。今回、空港の本屋さんで平積みの文庫本を見かけたので、なつかしいなぁと手にとったら戻せなくなって、沖縄で読むことにしたのです。らもさんは小説よりもエッセイの方が面白いんだけどな、と、思いつつ。


ところが〜、読み始めてみると、沖縄の空気とNicの精神状態とがあいまって、どんどんひきこまれました。

「どっちにしてもどこかにいかなければならないのだ」

20年前はなんてことなかったこの台詞も、今のNicには、じーんときたのでありました。

えっ?20年?
ひぃふぅみぃよぉ・・・・、うそうそ、15年くらい前です。
^^;)
ほんまやて。

文庫の帯には「こ、これは、麻薬だ!」というモブ・ノリオ氏の言葉があり「解説」もしています。Nicの記憶違いでなければ、モブ・ノリオ氏はどこかでの雑誌で笑い飯と対談していたと思う。どこだったかなぁ・・・.



一方『治療塔』(大江健三郎)は近未来のSFなんですが・・・、いろいろ書いちゃうとネタバレになるので伏せておきますが、ある出来事から「選ばれた者」と「落ちこぼれ」に二極化されることは、想像しているよりもお互いを蝕んでいくから、それをなかったことには絶対にできないだろう、、、というのがうちの考えです。その後をどうやって生きて行くのかがものすごく試されるんやなと。


昔読んだことのある本やSFを旅先で読むとはまるなぁ。慣れない景色とか空気が、ちょっとタイムスリップしたような感覚を起こさせるからなのかも。



もしも、あなたがこれから旅に出るなら、フィリップ.K.ディックとかもいいですよ。

『地図にない街』や『流れよ我が涙、と警官は言った』など、など。旅先の不安定な気持ちをいっそう盛り上げてくれます。
^^)。


ここは・・・?
ここはいったいどこなのだろう?